データセンター新築・改修におけるCM/PM業務

当社は、データセンター建設を行う発注者を支援するサービスを行っています。
このページでは、データセンター建設プロセスにおける課題や進め方について説明します。

データセンターとは

企業や組織などの利用者から預かったデータやシステムを、安全かつ安定的に保管・処理・管理するための専用施設です。
インターネットにつながり、指示に応じた処理を行うことで情報やサービスを提供するサーバーを多数設置し、様々なウェブサービス、クラウド、業務システムなどを支える基盤であり、現代のITインフラの中核を担う施設です。
そのため、データセンター構築においては、以下の検討が重要になります。

立地

電力供給の安定性、通信インフラ環境、災害リスク など

建物設計

関連法規・認証対応、構造種別、サーバールームの構成、床荷重 など

設備設計

冗長性、冷却方式(液浸、液冷、空冷)、PUE(電力使用効率)、実装範囲 など

スケーラビリティ

サーバー、電力・冷却装置、ネットワークなどの拡張性、柔軟性 など

セキュリティ

物理セキュリティ、サイバーセキュリティ、運用・人的セキュリティ、災害対策 など

評価指標

Tier、FISC、JDCC-FS、LEED、ZEB、CASBEE など

データセンターの種類

IT社会の変化にあわせて、データセンターの運用形態や提供サービスも変遷しています。
以下は代表的なデータセンターのタイプになりますが、タイプごとに用途や規模・受電容量などのコンセプトが異なり、データセンター建設に掛かる工事費、竣工・稼働までのスケジュールも異なります。
データセンターを新築・改修する際は、コンセプト、予算、スケジュールなどを考慮した事業化検討(構想・計画)や設計・工事のマネジメントが重要になります。

タイプ エッジ型 リテール型 ハイパースケール型 AI型
用途 IoT・5G 自社運用 クラウド 生成AI・HPC
規模 小規模 小~中規模 中~大規模 中~大規模
受電容量 ~ 1MW ~ 20MW ~ 50MW 20~50MW以上
特徴 ユーザー、デバイス
近くへの分散配置
ハウジング、
ホスティングが主流
ユーザー仕様での設計
自社型 or BTS型
GPUサーバー
冷却方式の高度化

データセンター建設における課題

データセンターの新築・改修工事における、よくある一般的なお悩みについてご紹介します。
近年、日本国内の建設市場は、半導体工場や再開発事業などに伴う建設需要の増加、資材・人件費の高騰、人手不足などにより、かつてない過渡期を迎えています。
このような状況下において、さまざまな課題の解決と円滑にプロジェクトを推進するために、データセンターに関する知見や実績と建設工事のマネジメントに精通したCM会社を採用するプロジェクトが増加しています。

  • 建設工事費の高騰により、事業化判断ができない
  • 社内の合意形成が進まず、計画がまとまらない
  • データセンターのトレンドにあわせたコンセプト検討、スペック設定ができない
  • 新築・改修プロジェクトの経験者が少なく、プロジェクトの進め方がわからない
  • ゼネコン、サブコンの見積金額の妥当性が検証できない
  • 社内外のステークホルダーにプロジェクトの妥当性を説明する必要がある

データセンターの実績一覧

明豊ファシリティワークスは、さまざまな用途、規模、タイプのデータセンター実績を豊富に有しています。
クラウド事業者、Sierなどの自社データセンターの新築・改修プロジェクト以外にも、オーナー側及びカスタマー側でのデータセンター構築も支援しています。
コンテナ型データセンター、直接液体冷却方式など、最新技術やトレンドを反映したデータセンターの実績も有していますので、お客さまのニーズにあわせたソリューション提供が可能です。

種別 施主名 プロジェクト概要 建物規模 DC規模
コンテナ型 さくらインターネット 様 コンテナ型データセンター 新築プロジェクト 2コンテナ 計40ラック
不動産デベロッパー 様 コンテナ型DC 構築プロジェクト(事業化検討段階)
新築・増築 さくらインターネット 様 石狩データセンター1,2号棟 新築プロジェクト 約11,400㎡ 約1,100ラック
さくらインターネット 様 石狩データセンター3号棟 新築プロジェクト 約12,300㎡ 約1,900ラック
DC事業者 様 データセンター 新築プロジェクト 約30,000㎡ 2000ラック以上
DC事業者 様 データセンター 新築プロジェクト 約29,000㎡ 3000ラック以上
DC事業者 様 データセンター 新築プロジェクト 約20,000㎡ 2000ラック以上
DC事業者 様 データセンター 増築プロジェクト 約16,000㎡ 500ラック以上
DC事業者 様 データセンター 増築プロジェクト 約10,000㎡
不動産デベロッパー 様 データセンター 新築プロジェクト 約12,000㎡ 1000ラック以上
不動産デベロッパー 様 データセンター 新築プロジェクト 約9,000㎡ 1000ラック以上
不動産デベロッパー 様 データセンター 新築プロジェクト(事業化検討段階) 約47,000㎡ 3000ラック以上
不動産デベロッパー 様 データセンター 新築プロジェクト(事業化検討段階) 約18,000㎡ 2000ラック以上
インフラ系企業 様 データセンター 新築プロジェクト 約20,000㎡ 2000ラック以上
外資系 金融機関 様 データセンター(Tier4) 構築プロジェクト
改修・更新 大宣システムサービス 様 電算センター 改修プロジェクト 約4,850㎡
DC事業者 様 フロア拡張による増床工事 約41,000㎡
DC事業者 様 UPS、空調設備等の更新工事
都市銀行 様 CVCF(無停電電源装置) 更新工事

実績紹介

明豊ファシリティワークスが支援した、データセンターの新築・改修プロジェクトの実績を紹介します。
ご依頼いただいた企業様、プロジェクト概要、規模などをご覧いただけます。

さくらインターネット 様
コンテナ型データセンター 新築プロジェクト

生成AIに対する需要の急速な高まりを受けて建設したコンテナ型データセンターの新築プロジェクト。

従来型データセンターよりも工期短縮が可能なコンテナ型を採用し、計画から約1年6ヶ月で竣工。

直接液体冷却方式(Direct Liquid Cooling)の導入により、従来採用していた空調方式に加えて、冷却水を用いてサーバーの高発熱部位を部分的に冷却することで、冷却に必要な消費電力を削減。

弊社は、基本計画書の作成、設計施工者の選定支援、設計マネジメント、施工マネジメントまで、全期間を通してマネジメントを行いました。

  • 建設地:北海道石狩市
  • 施工:2025年5月
  • 電力供給能力:約3.5MW
  • ラック搭載数:合計40ラック(20ラック/コンテナ)

さくらインターネット 様
石狩データセンター 新築プロジェクト

クラウドコンピューティングに最適化した、国内最大級の郊外型大規模データセンターの新築プロジェクトです。

寒冷地での外気活用により、空調エネルギーを大幅節減しました。
(1・2号棟は直接外気冷却、3号棟は間接外気冷却を採用)

弊社は、土地の選定支援から、電力会社との折衝、設計施工者選定、設計・施工マネジメント、サーバ・ネットワーク導入まで一括してマネジメントを行い、遅延することなく予算内の金額で引渡しされるまで、プロジェクトを支援しました。

  • 規模:1・2号棟 約11,400㎡ 3号棟 約12,300㎡

大宣システムサービス 様
電算センター 改修プロジェクト(コンバージョン)

地震、火災、津波、洪水、落雷、停電などの自然災害から、お客様の情報資産を保護しサービス継続を図ることを最大の目的とした、各種安全対策万全な新電算センターの構築プロジェクトです。

弊社は、「大阪センターの機能移転」、「データーセンターの拡張性」、「適切な施設規模・設備更新」に配慮した計画を作成し、 『JDCC FSのティア3レベル』となるデータセンターの構築を支援しました。

  • 規模:地下1階,地上3階 敷地面積 約3,200m² 延床面積 約4,850m²

明豊ファシリティワークスの
データセンター構築支援サービス

明豊ファシリティワークスは、データセンターの候補地選定やコンセプト検討などの事業化検討段階から、基本計画の策定、ゼネコン・サブコンなどの選定、設計・工事段階のマネジメントまで、ワンストップでマネジメントサービスのご提供が可能です。
以下は当社のCMサービスの支援フローと主な業務メニューです。お客さまの課題・ニーズにあわせて、オーダーメイド式に業務内容を整理し、ご提案します。

構想
F/S

フィージビリティスタディ(事業性検証)

<要件整理>
  • 発注者要件の確認
  • 業界トレンド、他社実績との比較
  • 事業化判断材料の整理
<基本構想>
  • 建築、設備コンセプトの整理
  • ボリューム・コストスタディ
  • 全体スケジュール案の検討
<候補地選定支援>
  • ハザード、関連法規等の確認
  • インフラ整備状況の確認
  • 定性的・定量的な評価・検証
事業化決定

計画
調達

基本計画・発注支援

<基本計画>
  • 詳細プランの検討
  • 概算工事費の算出
  • 概略工事工程の作成
<選定準備>
  • 発注スキームの検討
  • 候補者選定支援
  • 発注図書の作成
<選定支援>
  • 説明会開催、質疑対応
  • 提案内容の比較・評価支援
  • 見積査定
設計施工者決定

設計
工事

設計・施工マネジメント

<設計マネジメント>
  • 設計進捗状況のモニタリング
  • 設計図書レビュー
  • 精算見積査定
<施工マネジメント>
  • 施工計画資料の確認・助言
  • 工事進捗の確認、レポーティング
  • 設計変更管理、増減工事費の査定
<設備実装マネジメント>
  • 段階実装工事のマネジメント業務
  • 施主検査立会い
  • コミッショニング支援
DC稼働開始

改修
更新

ファシリティマネジメント

<中長期修繕計画>
  • LCC(長期修繕費用)の算出
  • LCM(中期修繕計画)の策定
<建物改修・設備更新>
  • 修繕・改修工事の見積査定
  • 設備の省エネ・省CO2化更新
<脱炭素化支援>
  • 脱炭素ロードマップの策定
  • 再エネ導入・調達支援

設計・施工一括(デザインビルド)方式を想定しています。 設計・施工分離発注方式でのご提案も可能です。

私たちは、お客様の課題をしっかりと
理解し、納得していただいた上で
課題解決にお役に立ちたいと考えています。

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明豊FWについて

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